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神奈川県立歴史博物館「北からの開国 ―海がまもり、海がつないだ日本―」を見てきました

会員のカネコです。
昨日24日(土)に神奈川県立歴史博物館で開催中の「北からの開国 ―海がまもり、海がつないだ日本―」を見てきました。

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開国というとペリー来航を思い浮かべますが、それよりも早くからロシアは開国通商を求めており、幕府はロシア南下への危機感を持っていました。
今回の展示は幕府ロシアへの対応、研究、防衛策といった幕末の日露関係の流れがよく分かる非常に興味深い内容となっていました。

展示品は福山藩阿部家、彦根藩井伊家、古河藩土井家、白河藩松平家、松代藩真田家といった当時にロシア問題に関わった幕閣の家に伝わる史料などを始め、林子平や会沢正志斎といった学者による海防論の書、間宮林蔵など蝦夷探検家による調査記録などがあり、図録(1,000円)もよくまっとまっていたので、購入しました。

私は大学の卒論で会沢正志斎の『新論』について書いていたので、今回の展示に会沢の自筆稿本があったので、しばし見入りました。
後期水戸学は戦前と戦後でガラリと評価が変わりましたが、その両極端な評価から一度離れ、フラットな視線で見たいと思っていたのですが、卒論を書いていた時期は小泉内閣の発足や9.11などが起こった時期でもあり、なんとなくその時代の空気の影響も受けながら書いた思い出があります。
その後、特に後期水戸学について深く研究していませんが、やはり常に心のどこかに引っかかるものがあります。

日露関係では平成29年(2017)に開催した第14回巡墓会「深川巡墓会~江戸の始まりと幕末黎明期の群像~」で私は松平定信と間宮林蔵を担当したため、この時にいろいろと調べたものです。

間宮林蔵の出身地つくばみらい市上平柳にも行きました。

間宮林蔵の故郷を行く

また、その前後には関連事項として初代蝦夷奉行羽太安芸守正養などの記事も書きました。

初代蝦夷奉行羽太安芸守正養の墓

この流れもあり、昨年刊行した『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』では日露交渉に関係した人物も取り上げました。ロシア対策からの蝦夷地開拓は箱館戦争の背景にも関わりますので、一つの「裏テーマ」として日露関係も念頭に置いて執筆にあたりました。

現在も日露間には北方領土などの難しい問題を抱えていますが、強大な力を持った隣国とどのように付き合っていくか、先人たちの苦労に学ぶ所も大きいのではないかと思います。

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(水戸市本法寺の会沢正志斎の墓 平成28年(2016)撮影))
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