会員のカトケンです。
先月、静岡市葵区にオープンした静岡市立歴史博物館を訪ねた(=写真)。
1階に出土した戦国時代の道がむき出しで展示され、側まで降りることができる。
それを見ながらスロープを上がっていった2階は常設展示1で、家康の大御所時代の駿府を「首都」と位置づけ、外交や貿易を軸にスペインやイギリスからの贈り物などが展示されていた。
家康の生涯を追う展示では、駿河国を誰が統治したか時代ごと又戦ごと変遷がたどることができる。その側には紅糸縅腹巻と伊予札黒糸縅胴丸具足の復元されたものが四方から見られるよう展示されている。
また家康の信仰や家族に焦点が当てられたコーナーもあり、家康の子がどの局から生まれたかパネル展示があって分かりやすい。どの時にどの局との関係が描かれるのか、今後の大河を見るときのポイントになりそうだ。
家康の印には名前以外に「忠恕」が書かれて、まごころと思いやりを常に忘れないよう自らを戒めていたことが推察できる。
展示の終わりに様々な家康像が並べられ、神になる前後などの解説が施され、初見のものもあり驚いた。家光が描かせたラフな格好の家康が印象的であった。
さらに、以前このブログで文化財資料館のときのプレ展示として触れた今川歴代の展示が更に充実していた。
映像で歴代今川当主の領地変遷が分かるものは、今川好きや静岡県民必見である。
3階の半分は企画展「徳川家康と駿府」で文化財資料館に展示されていたホンモノ類が惜しげもなく展示されていた。
同じ階のもう半分は常設展示2になっていて、静岡の街の歴史が分かるもので、町人の暮らしや浅間神社の祭り、城下町地図、江戸開城から幕臣の静岡移住、茶の生産から輸出などいろんな階層や様々な時代をカバーするものだった。
最後にある昭和30年代の静岡市中心街のジオラマは興味深かった。駿府公園内の三角の建物は昭和50年生まれの小弟には分からず、あとで親に聞いてみると「駿府会館」といって成人式を催したところだそうだ。実家がある位置までカバーされていないか見てみたが、もう少しのところで途切れていて、母は「うちは郊外ってことね」と話していた。
3階へ向かって階段を登ったところが展望になっていて(=写真)、駿府城公園の巽櫓が正面に見えて眺望が楽しめる。ちょうど晴れていて幸いであった。
1階の奥には建穂寺や鉄舟寺の宝物と戦前のパノラマ地図が大きく飾られている部屋と講演会ができそうなスペースがあったが、パネル展示のコーナー(2月12日まで十返舎一九の展示が行われていた)は奥まったところにあり、2階の展示に進む流れから途切れているのはもったいない気がした。これはグッズコーナーも同じで、入口から入場する方向とは逆のカフェの方に行かないと見られない。
ともあれ、入場前の図書コーナーには閲覧できる机が置かれていて文化財資料館の時よりも便利になっているし、展示解説以外にも屋外に出た史跡めぐりが何コースもあって、静より動を意識した新しい形の博物館になっていると感じた。
1月12日付静岡新聞17面に館長、学芸課長による対談(聞き手が民放アナウンサー)が載っており、その中で館長が「目玉となる所蔵品が少なく、市民が作っていく博物館にしたい」との言があり、展示物を置いて待っているのではなく、様々な催しを通じて外へ働きかけていく仕掛けの一環ではないかと感じた。
博物館や催しを通じて、歴史を味わいに静岡市に足を運んでくれる人が一人でも多くなればと願う。
なお、博物館から1キロほど離れた静岡浅間神社の境内に文化財資料館のあった建物を今は大河ドラマ館にして来訪者を出迎えている(=写真)。
かつて2階に上がるスロープには元号が古い順に書き連ねてあり、学習スペースらしさが残っていたが、多くの人が行き交う場所となり、1階奥には映像コーナーがあって賑わっていた。
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『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』購入申込みフォーム
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流星忌・ガイドブック『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の告知チラシが出来ました
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先月、静岡市葵区にオープンした静岡市立歴史博物館を訪ねた(=写真)。
1階に出土した戦国時代の道がむき出しで展示され、側まで降りることができる。
それを見ながらスロープを上がっていった2階は常設展示1で、家康の大御所時代の駿府を「首都」と位置づけ、外交や貿易を軸にスペインやイギリスからの贈り物などが展示されていた。
家康の生涯を追う展示では、駿河国を誰が統治したか時代ごと又戦ごと変遷がたどることができる。その側には紅糸縅腹巻と伊予札黒糸縅胴丸具足の復元されたものが四方から見られるよう展示されている。
また家康の信仰や家族に焦点が当てられたコーナーもあり、家康の子がどの局から生まれたかパネル展示があって分かりやすい。どの時にどの局との関係が描かれるのか、今後の大河を見るときのポイントになりそうだ。
家康の印には名前以外に「忠恕」が書かれて、まごころと思いやりを常に忘れないよう自らを戒めていたことが推察できる。
展示の終わりに様々な家康像が並べられ、神になる前後などの解説が施され、初見のものもあり驚いた。家光が描かせたラフな格好の家康が印象的であった。
さらに、以前このブログで文化財資料館のときのプレ展示として触れた今川歴代の展示が更に充実していた。
映像で歴代今川当主の領地変遷が分かるものは、今川好きや静岡県民必見である。
3階の半分は企画展「徳川家康と駿府」で文化財資料館に展示されていたホンモノ類が惜しげもなく展示されていた。
同じ階のもう半分は常設展示2になっていて、静岡の街の歴史が分かるもので、町人の暮らしや浅間神社の祭り、城下町地図、江戸開城から幕臣の静岡移住、茶の生産から輸出などいろんな階層や様々な時代をカバーするものだった。
最後にある昭和30年代の静岡市中心街のジオラマは興味深かった。駿府公園内の三角の建物は昭和50年生まれの小弟には分からず、あとで親に聞いてみると「駿府会館」といって成人式を催したところだそうだ。実家がある位置までカバーされていないか見てみたが、もう少しのところで途切れていて、母は「うちは郊外ってことね」と話していた。
3階へ向かって階段を登ったところが展望になっていて(=写真)、駿府城公園の巽櫓が正面に見えて眺望が楽しめる。ちょうど晴れていて幸いであった。
1階の奥には建穂寺や鉄舟寺の宝物と戦前のパノラマ地図が大きく飾られている部屋と講演会ができそうなスペースがあったが、パネル展示のコーナー(2月12日まで十返舎一九の展示が行われていた)は奥まったところにあり、2階の展示に進む流れから途切れているのはもったいない気がした。これはグッズコーナーも同じで、入口から入場する方向とは逆のカフェの方に行かないと見られない。
ともあれ、入場前の図書コーナーには閲覧できる机が置かれていて文化財資料館の時よりも便利になっているし、展示解説以外にも屋外に出た史跡めぐりが何コースもあって、静より動を意識した新しい形の博物館になっていると感じた。
1月12日付静岡新聞17面に館長、学芸課長による対談(聞き手が民放アナウンサー)が載っており、その中で館長が「目玉となる所蔵品が少なく、市民が作っていく博物館にしたい」との言があり、展示物を置いて待っているのではなく、様々な催しを通じて外へ働きかけていく仕掛けの一環ではないかと感じた。
博物館や催しを通じて、歴史を味わいに静岡市に足を運んでくれる人が一人でも多くなればと願う。
なお、博物館から1キロほど離れた静岡浅間神社の境内に文化財資料館のあった建物を今は大河ドラマ館にして来訪者を出迎えている(=写真)。
かつて2階に上がるスロープには元号が古い順に書き連ねてあり、学習スペースらしさが残っていたが、多くの人が行き交う場所となり、1階奥には映像コーナーがあって賑わっていた。
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