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Channel: 探墓巡礼顕彰会-墓碑調査・研究プロジェクト-
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東京近郊所在の華族墓② 東郷平八郎侯爵・小笠原長生子爵・南部男爵家(東郷寺)

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黒坂です。
前回投稿の田中不二麿子爵からかなり間が空いてしまいましたが、第2回目として紹介するのは、府中市東郷寺にある華族墓です。
「東郷」寺という名前から察する方も多いと思いますが、日露戦争における日本海海戦の英雄東郷平八郎海軍元帥ゆかりのお寺です。もともと東郷の別荘があった場所を東郷の死後、東郷元帥の菩提を弔い、顕彰するための寺院に改められました。
そのため、同寺には、東郷侯爵の供養塔が建てられています。
東郷平八郎侯爵の本墓は、ここからほど近くにある多磨霊園名誉霊域に埋葬され、立派な墓所がありますが、目と鼻の先に供養塔があるのは驚きです。



この供養塔を建立したのは、小笠原長生子爵という海軍中将で、東郷のことを大変慕っていました。
そのため、東郷元帥の顕彰活動を行っていた人物として知られています。
小笠原子爵は、元唐津藩主小笠原家の当主でもあり、幕末の老中小笠原長行の長男でもあります。
小笠原長行子爵の本墓は、世田谷区烏山の幸龍寺にあります。
父長行は最初谷中墓地に埋葬されましたが、後年長生によってこちらに改葬されました。
ちなみに東郷の供養塔の隣にも小笠原長生子爵の供養塔が建てられています。この他にも唐津近松寺や伊豆宗徳寺に有ります。



この2基に隣接して五輪塔が1基ありますが、こちらも南部日実男爵の墓碑になります。
この方は遠野南部家の当主であり、南朝の北畠顕家に従った南部師行の末裔です。
遠野南部家は、盛岡藩の中でも筆頭家老「御三家」として、破格の待遇を受けていた一族です。
明治になり、南朝に対する功績が認められ、旧盛岡藩主(伯爵)とは別に男爵を授けられました。



同寺には、境内に入ってすぐ左の一般墓域にも著名人の墓があり、豊田副武海軍大将や張作霖爆殺事件の実行犯とされる河本大作の墓もありますが、先ほどの南部男爵家の分家の墓もあります。

当寺の山門は、映画「羅生門」のモデルとしても使われた風情の良いお寺でした。


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