会員のカネコです。
19日(日)に今秋発売予定『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の最後の編集会議を行い、編集作業もいよいよ大詰めを迎えました。
本書にはいくつかの見どころがありますが、前回の投稿でも紹介した肖像写真の他に、精密な地図を掲載します。発行元の出版舎風狂童子代表杉崎忠博さんが何度も谷中を訪れ、実測した精度の高い地図が掲載されていますので、初めて行く方でも迷わずにお墓に辿りつけるのではないかと思います。
さて、今回の執筆・編集中にふとあることに気付きました。
今回取り上げた人物に安積艮斎の門下生が複数いたことです。
安積艮斎は二本松藩領であった郡山出身の学者であることから、私のライフワークである二本松出身者研究の対象としています。
安積艮斎とその一族の墓については以前、当会メンバーでリレー連載している『歴史研究』誌上の「掃苔行脚」の「二本松掃苔録」の連載第2回目(平成22年12月号)で取り上げました。
当ブログでも墓碑写真を掲載したことがあります。
7月20日 高砂崇福寺・堀切妙源寺・谷中霊園調査
艮斎は安積国造神社55代神職安藤親重の三男に生まれ、苦学の末、江戸に塾を開き二本松藩の藩儒を経て、幕府に招かれ昌平黌の教授に任ぜられました。
艮斎の許で学んだ者には小栗忠順・吉田松陰・高杉晋作・楫取素彦・岩崎弥太郎・木村喜毅・栗本鋤雲など幕末維新に活躍した人物が多数おり、江戸の私塾の門下生名は『安積艮斎門人帳』(安積艮斎顕彰会、平成19年)に2282名が記されています。
谷中霊園とその周辺の寺院には以下の安積艮斎門下生の墓所があります。
・永井尚志(本行寺)
・神田孝平(谷中霊園 甲12号新1側)
・河田迪斎(※天王寺墓地に迪斎の長男貫堂と三男柳荘の墓があり、本人の墓は六本木深広寺・非公開)
・阪谷朗廬(谷中霊園 甲9号10側飛び地)
・佐藤尚中(谷中霊園 甲4号7側)
・福地源一郎(谷中霊園 甲1号12側)
・南摩綱紀(谷中霊園 甲1号7側)
・古屋佐久左衛門(谷中霊園 乙2号10側)
・箕作麟祥(※谷中霊園 乙5号2側に叔父秋坪の墓があり、本人の墓は多摩霊園)
・鷲津毅堂(谷中霊園 乙8号10側)
・平野重久(※谷中霊園 乙10号6側に実弟小永井小舟の墓があり、本人の墓所は未確認)
・川路太郎(※大正寺に祖父で養父の聖謨の墓があり、本人の墓は多摩霊園)
福地源一郎(桜痴)の墓
以上は『安積艮斎門人帳』で名前が確認できた人物ですが、昌平黌の教授時代に教えた人物も含めるとまだまだいるものと思われます。
谷中霊園と周辺の寺院だけでも艮斎の門下生の墓が数多くあり、今回の執筆・編集作業を通して、改めて艮斎を影響力の大きさを感じることができました。尚、『歴史研究』10月号にこの詳細を寄稿しましたので、10月号発行後にご覧頂ければ幸いに存じます。
『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の発売までもうしばらくお時間を頂きますが、少しでも良い形でご覧頂きたいので、しばらく詰めの作業を行います。
発売日等決まりましたら、改めてご案内いたします。
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★流星忌・ガイドブック『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の告知チラシを公開しています。
流星忌・ガイドブック『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の告知チラシが出来ました
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19日(日)に今秋発売予定『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の最後の編集会議を行い、編集作業もいよいよ大詰めを迎えました。
本書にはいくつかの見どころがありますが、前回の投稿でも紹介した肖像写真の他に、精密な地図を掲載します。発行元の出版舎風狂童子代表杉崎忠博さんが何度も谷中を訪れ、実測した精度の高い地図が掲載されていますので、初めて行く方でも迷わずにお墓に辿りつけるのではないかと思います。
さて、今回の執筆・編集中にふとあることに気付きました。
今回取り上げた人物に安積艮斎の門下生が複数いたことです。
安積艮斎は二本松藩領であった郡山出身の学者であることから、私のライフワークである二本松出身者研究の対象としています。
安積艮斎とその一族の墓については以前、当会メンバーでリレー連載している『歴史研究』誌上の「掃苔行脚」の「二本松掃苔録」の連載第2回目(平成22年12月号)で取り上げました。
当ブログでも墓碑写真を掲載したことがあります。
7月20日 高砂崇福寺・堀切妙源寺・谷中霊園調査
艮斎は安積国造神社55代神職安藤親重の三男に生まれ、苦学の末、江戸に塾を開き二本松藩の藩儒を経て、幕府に招かれ昌平黌の教授に任ぜられました。
艮斎の許で学んだ者には小栗忠順・吉田松陰・高杉晋作・楫取素彦・岩崎弥太郎・木村喜毅・栗本鋤雲など幕末維新に活躍した人物が多数おり、江戸の私塾の門下生名は『安積艮斎門人帳』(安積艮斎顕彰会、平成19年)に2282名が記されています。
谷中霊園とその周辺の寺院には以下の安積艮斎門下生の墓所があります。
・永井尚志(本行寺)
・神田孝平(谷中霊園 甲12号新1側)
・河田迪斎(※天王寺墓地に迪斎の長男貫堂と三男柳荘の墓があり、本人の墓は六本木深広寺・非公開)
・阪谷朗廬(谷中霊園 甲9号10側飛び地)
・佐藤尚中(谷中霊園 甲4号7側)
・福地源一郎(谷中霊園 甲1号12側)
・南摩綱紀(谷中霊園 甲1号7側)
・古屋佐久左衛門(谷中霊園 乙2号10側)
・箕作麟祥(※谷中霊園 乙5号2側に叔父秋坪の墓があり、本人の墓は多摩霊園)
・鷲津毅堂(谷中霊園 乙8号10側)
・平野重久(※谷中霊園 乙10号6側に実弟小永井小舟の墓があり、本人の墓所は未確認)
・川路太郎(※大正寺に祖父で養父の聖謨の墓があり、本人の墓は多摩霊園)
福地源一郎(桜痴)の墓
以上は『安積艮斎門人帳』で名前が確認できた人物ですが、昌平黌の教授時代に教えた人物も含めるとまだまだいるものと思われます。
谷中霊園と周辺の寺院だけでも艮斎の門下生の墓が数多くあり、今回の執筆・編集作業を通して、改めて艮斎を影響力の大きさを感じることができました。尚、『歴史研究』10月号にこの詳細を寄稿しましたので、10月号発行後にご覧頂ければ幸いに存じます。
『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の発売までもうしばらくお時間を頂きますが、少しでも良い形でご覧頂きたいので、しばらく詰めの作業を行います。
発売日等決まりましたら、改めてご案内いたします。
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